眩 しけもく

適当に思った事を吐き出すものです

責任転嫁しつつの身の上話①

僕は田舎の6人兄弟の末。兄弟多くてびっくりされることもあるけど本当。長女、長男次男三男四男。それから僕。

 

僕が小学校あがる前か後、それくらいの時期に兄とSEXした。そうとも呼んで良いか分からないけど。僕がそれくらいの時には長男は8つ上だから、僕が6歳くらいだとしたら長男は14歳。性に目覚める頃で、歳の近い女の子や幼なじみもおらず、家にはなんでも真似したがってなんでも言うことを聞く、簡単に力でねじ伏せられる格好の獲物がいたのだから仕方ない。内緒ねと言ってキスをしたり下のものをくわえさせられたり、逆に舐められたこともあった。僕はそれがいいことかも悪いことかも分からないまま、感覚的に気持ちいいことではあったから多分嫌がってなかった、と思う。4男の兄ともそういうことをしたし、4男の友人とも似たようなことをした。悪いことと知らなかったし小さい頃から兄の遊びについて行ったらほぼ毎回そうしていたから、当然と思ってた。痛いことはされなかったし。父親と並んで寝てる時に胸や下を弄られるのは当たり前だったし、父親への行ってらっしゃいのキスは必ず舌がねじ込まれるものだった。父はタバコを吸ってたから、そのキスだけは嫌だったのを覚えている。思い返した時からずっと、父親とも兄弟とも普通に話すようにはしているけれど触れられるのは避けるようにしてる。思い返す度にきもちわるくて死にたくなっている。

 

母は知らない。数人の知人には少し話している。

 

母は素敵な人。大好きな人。悲しませたくないと切に願ってる本当に大事な人。

田舎に越してきて、近所はご年配の方ばかりのなか同じ年代の人も居ない、携帯なんかも多分まだ普及していないスーパーもないような所で、やんちゃに育つ僕ら6人を育ててくれた。寂しい思いも大変な思いもきっと沢山したんだろうけど、今50を超えても穏やかで優しくて素敵な笑顔と微笑みをずっと浮かべているから、本当に素敵だと思う。ネグレクトのようになった記憶は僕にはない。僕は上の兄弟がいたかはかもしれない。長女は寂しがったりしたかもしれない。お弁当も朝ごはんも夜ご飯も作ってくれる。洗濯もみんなの分をやってくれる。僕もたまに手伝うけど、それでも大半は母さんがしてくれてる。一昔前の当たり前をちゃんと丁寧に頑張ってこなしてくれている。大好きな人。母親として、僕はこれ以上に素敵な人はいないと思う。過干渉もなく、放置しすぎることも泣く。話はちゃんと聞いてくれるしやりたいことをさせてくれていると思う。パートもして学校のPTA役員もして、本当に、頑張っている素敵な人。

化粧やファッションにも興味があまりない。けど醜悪な見た目でも無い。天然の美人が順当に歳を重ねた感じなんだろうなと思っている。母さんの顔は僕からみても綺麗だと思う。歳を重ねているしシワもあるけれど。趣味はレース網みと植物を育てること、部屋の間取り図を眺めること。カエルが好きで猫も好き。写真集をあげたら喜んでいた。質素で、ありふれた事に幸せを見つけ出して幸せに生きていると思う人。怒鳴ることは滅多になく、手を挙げたりヒステリックになったりすることも見たことが無い。僕じゃない事でいらいらしていて、僕に少しきつく当たる、ということもない訳では無いけれど、落ち着いた後に必ず謝ってくれるしぎゅっとしてくれる。料理は特別上手でもないけど特別下手でもない、平均的だと思う。人の愚痴を聞いたりした、相談に乗ったという話を少し車での移動中に聞いたけれど、それに同調する訳でもなく愚痴を言っていた人を非難する訳でもなく。その人の行動の問題点を抽出して、『こういうのは良くないよね』っていう芯を教えてくれようとする?感じ。上手く言えないけど、素敵な話をしてくれる。

ちゃんとありがとうとごめんねを言ってくれる人。おかえりただいまをくれる人。暖かい人。ギュッてしてくれる人。

 

僕はおかあさんが大好きだ。大好きで仕方なくて、だから、ちゃんと素敵に育てなかった僕が情けなくて申し訳なくて不甲斐なくって仕方ない。

 

母さんに、カラオケに行ってみたいからいつか連れて行ってと言われた。コロナが広まる前にした約束は、コロナのせいでまだ果たせていないけど。長女が今三十路くらい。長女が産まれてから今までずっと多分そういった娯楽をしていないんだと思う。元々趣味が派手じゃないから興味がなかったのかもしれないけれど、凄くすごく愛おしくて申し訳なくてその日の夜はずっと泣いていた。僕らを大事にしてくれているのが十分伝わってしまうから。おかあさんがきっとみんなが当たり前に経験しているそれを放っておいてでも僕らにかまけてくれたことが嬉しくて有難くて暖かくて申し訳なくて仕方ないから。その愛が嬉しくて嬉しくておかあさんを幸せにしたくって仕方ない。

 

長女は独り立ちして家を出ているので、今は他の兄弟と両親で一緒に暮らしている。父親と上の兄たちは淡白であまり手伝いをしない。父親はありがとうとかをちゃんという人ではあるけれど独り言が多く、話をしている時に文がしっちゃかめっちゃかだったり主語が抜けていたりするので母は父と話した後はすこし疲れたりしている。指摘しても治らないからたまにイライラしている。兄たちは母さんと険悪でもないし特別仲良しでもない、多分普通。でもありがとうをあんまり言わないし洗濯物をほっぽったりお皿片付けなかったりで大変。そこら辺のカバーは全部僕がしてる。お皿洗ったりお風呂洗ったり、母さんがパートやPTAで遅れる時は僕が洗濯物畳んだり、とか。

 

ささやかなお手伝いしか出来ていないけど、僕偉い。

 

父さんとか仕事とかに関する母さんからの愚痴とかを聞いたり、仕事疲れた〜っていう小さなお疲れをよしよしって撫でたりぎゅってしたり、そういう役割も僕。家の内政は僕はあんまり出来ていないけど、おかあさんのケア?みたいなのは僕それなりにできていると思う。

 

 

だから、僕が死んだらおかあさんはどうなるんだろうと考える。

 

 

正直家を出たいと少し思うし、死にたいとなんと願う。反抗期も少しあるのかも分からないけど父さんとあんまり話したいと思わないし、兄とも。おかあさんが素敵じゃなくって大嫌いなくそだったら、きっととっくにそうしている。

 

けど、僕のおかあさんは素敵な人で、大好きな人だから、おかあさんを悲しませたくないから、死ねないでいる。